2025.11.05美容相談Q&A

PDRN 編

PDRN 編

注目の成分「PDRN」は核酸の一種。美肌への期待度は?

スキンケアや化粧品、新しい成分のことなど、分かっているようで実はよく分かっていないこと、案外多くありませんか? そこで「美容相談Q&A」では、基本的なことからちょっと専門的なことまで、美容に関するさまざまな質問や相談にお答えしていきます。今回は、化粧品に配合される注目の成分「PDRN」を深掘りしていきます。

「PDRN」という成分をよくみかけるようになりました。どんな成分なのですか。
 「PDRN」は「ポリデオキシリボヌクレオチド」の略で、核酸の一種です。核酸とは、細胞の核にある遺伝子のこと。よく耳にするDNAも核酸の一種です。
これまでにも核酸やDNAを配合した化粧品は見たことがあります。なにが違うのでしょうか。
 化粧品成分としての核酸は、肌の表面で保湿膜を作ります。そのため、これまでは主に保湿成分として使われていました。しかし、核酸は高分子のため、肌に浸透しにくいという側面がありました。
 この高分子の核酸を短く切って低分子にしたものがPDRNです。低分子にすることで生理活性作用を見出すことができたため、美容への期待感がより一層高まり、いま、注目されているのだと思います。
 ちなみに、化粧品などに利用される核酸には、動物性と植物性がありますが、サケの白子から抽出したものが主流になっています。
美容に対してはどのような効果があるのですか。
 細胞の働きを活性化させるため、ターンオーバーを促進する、真皮の組織を充実するなどといった効果を期待できるのではないかと思います。
どのような肌悩みがある人におすすめですか。
 特定の肌悩みというよりも、肌に対してトータルなケアをめざしたい人におすすめです。また、新しい成分にいつも興味を持っている人は、ぜひ試してみるといいのではないでしょうか。
組み合わせて使うといいおすすめの成分はありますか。
 アンチエイジングを目的とするようなナイアシンアミドやビタミン類などの成分とは相性がいいと思います。
 しかし、それぞれの化粧品がどのような目的で作られているのか、よく理解してから併用することをおすすめします。
PDRNが配合された化粧品を選ぶ際の注意点はありますか。
 PDRNに限ったことではありませんが、新しい化粧品や成分だからといって、すぐに飛びつかないようにしましょう。また、効果を期待して高価格の商品をあえて選ぶ必要はありません。適正な価格の商品を選ぶようにしましょう。
 まずはメーカーがどのような経緯でその成分を採用したのか、その成分のどんなところに着目したのか、ホームページなどでしっかり確認してみてください。その化粧品に対するメーカーの目的やコンセプト、思いなどに納得してから使うことが大切です。
化粧品を使い始めて、どのくらいの期間で実感できそうですか。
 肌への作用はすぐにあらわれるものではありません。PDRNも細胞に働きかけてから徐々に効果を感じていくと思うので、最低でも1カ月はじっくり使い続けてみましょう。
ちなみに、化粧品を使ってすぐに実感できる人とそうでない人がいます。なにが違うのでしょうか。
 1つは使用感が影響していると思います。肌に触れたときのテクスチャーが好みであれば、実感しやすいのかもしません。
 もう1つは、メーカーの思いや商品のコンセプトに共感して期待感が高まること。それによって、効果を感じやすくなるのだと思います。
PDRNは、今後、もっと注目される成分になりますか。
 現状は、化粧品のたくさんある成分のなかで脇役的な存在だと思います。しかし、今後、さらに生理活性作用の高いPDRNが発見されるといったこともあるかもしれません。これからもさまざまな美容成分の情報をチェックしておくことで、自分の肌とより相性が良い成分を見つけられるかもしれませんね。

岡部 美代治 先生

ビューティサイエンティスト 岡部 美代治 先生

http://www.beautysci.jp

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