漢字ばかりが並んでいて難しそうなイメージがある漢方薬。しかし、「なんとなくだるい」「なんとなく手足の冷えがずっと気になっている」など、病気になっていなくても健康とは言い切れない「未病」の状態のときにとり入れてみることもおすすめです。今回は、「よく眠れない……」、そんな不眠におすすめの漢方薬をご紹介します。
柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)
こんな方に
- イライラして寝付けない
- 物音ですぐに目が覚める
- 不安を感じやすい
主にどんな生薬が入っている?

上記4 つのほか、黄芩(オウゴン)、大棗(タイソウ)、人参(ニンジン)、竜骨(リュウコツ)、牡蛎(ボレイ)、生姜(ショウキョウ)などの生薬から構成されている漢方薬です。柴胡加竜骨牡蛎湯は、体内にこもった余計な熱を冷ますことで、イライラや不安などの気持ちを落ち着かせる働きがあります。

漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
寝つきが悪い、ストレスなどでイライラする方の不眠や不安におすすめの 漢方薬です。精神不安がある高血圧の方の動悸や不安、不眠、神経症状などにも効果があります。
加味逍遙散(カミショウヨウサン)
こんな方に
- 生理や更年期でイライラする
- のぼせ感や肩こりがある
- 気持ちが不安定で眠れない
主にどんな生薬が入っている?

上記4 つのほか、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)などの生薬から構成されています。加味逍遙散は、たまった熱を冷やして、気を巡らせ、血(けつ)を補うことで、体全体のバランスを整えていきます。

体力が中等度以下で、のぼせ感、肩凝り、疲労感、精神不安やいらだちな どの精神神経症状、また、ときに便秘の傾向がある冷え性や虚弱体質、月経不順、更年期障害、不眠症などにおすすめです。
加味帰脾湯(カミキヒトウ)
こんな方に
- 貧血気味で疲れやすい
- 神経質で眠りが浅い
- 気分が落ち込む
主にどんな生薬が入っている?

上記4 つのほか、白朮(ビャクジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、柴胡(サイコ)、当帰(トウキ)、山梔子(サンシシ)などの生薬から構成されています。加味帰脾湯は、消化機能の働きを改善して、エネルギーを補う働きがあります。

体力が中等度以下で血色の悪い人が、貧血や心身の疲労によって気分がイライラしたり、落ち着きがなくなったり、元気がなく口数が少なくなったり、眠れなくなったりといったときに効果があります。

〈監修〉渡辺 賢治 先生
不規則になりがちな現代生活。眠活は何よりもまず生活のリズムを作ることから始めます。起床したら朝日を浴びて1 時間以内にしっかりタンパク質を摂りましょう。それでも不眠が続くようでしたら漢方薬を試してください。
漢方薬を選ぶ際には、トモズ各店舗の薬剤師・登録販売者にご相談ください。
漢方を利用する際のポイントと注意点
漢方薬には即効性を期待できるものと長期的に体質を改善していくものとがあります。後者の場合は、約3カ月は飲み続ける必要があるといわれています。また、自然の材料を使っているからといって副作用がまったくないわけではありません。体調が長く改善されないときには、医療機関を受診することも必要です。