
漢字ばかりが並んでいて難しそうなイメージがある漢方薬。しかし、「なんとなくだるい」「なんとなく手足の冷えがずっと気になっている」など、病気になっていなくても健康とは言い切れない「未病」の状態のときにとり入れてみることもおすすめです。今回は、めまい改善の手助けとなる代表的な漢方をご紹介します。
苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)
こんな方に
- 立ち上がったとき、クラっとしたりふわふわしたりするめまいがある
- 朝、起きにくいことがある
- 動悸や耳鳴りを伴うことがある
主にどんな生薬が入っている?
上記の4つの生薬から構成されている苓桂朮甘湯。めまいの原因のひとつが体内の水分や気の流れが滞ることといわれています。余分な水分を除き、気の巡りを安定させて改善するとされています。

水分代謝を促進して余分な水分を排出、滞った水の流れを整える漢方薬。体内に水分が余ることで起こるとされるめまいや立ちくらみを改善。
沢瀉湯(タクシャトウ)
こんな方に
- グルグル回るようなめまいがある
- 横になっても目が回ってしまう

ストレスや疲れがたまったときなどに繰り返し起こるめまいを改善する漢方薬。頭がグルグル、クラクラする方におすすめ。
五苓散(ゴレイサン)
こんな方に
- 台風・雨で気圧の変化があるときや月経前にむくみやすい
- のどが渇くのに尿量が少ない

低気圧で不調を感じる方に。気圧の変動による体内バランスの乱れに伴う頭痛やだるさ、めまいなどの症状を改善。

〈監修〉渡辺 賢治 先生
めまいの原因はさまざまですが、雨が降る前や女性の月経前のめまいなどは「水毒」によるもので、漢方薬がよく効きます。立ちくらみには苓桂朮甘湯、グルグルするめまいには沢瀉湯、むくみを伴うめまいには五苓散がおすすめです。めまいの原因には脳梗塞などもありますので、初めてのめまいや漢方薬で治らない場合には医師の診察を受けてください。
漢方薬を選ぶ際には、トモズ各店舗の薬剤師・登録販売者にご相談ください。
漢方を利用する際のポイントと注意点
漢方薬には即効性を期待できるものと長期的に体質を改善していくものとがあります。後者の場合は、約3カ月は飲み続ける必要があるといわれています。また、自然の材料を使っているからといって副作用がまったくないわけではありません。体調が長く改善されないときには、医療機関を受診することも必要です。