塩分のとりすぎ
健康診断や人間ドックで「血圧が高め」と指摘されたことはありませんか?
「血圧が高いと言われたけど、放っておいて大丈夫?」「高血圧を改善するには何を心がければいい?」など、高血圧について疑問や不安を感じる方も多いでしょう。
今回は「WEBTOMOKO」に寄せられたリクエストをもとに、高血圧の原因や症状、予防・改善のポイントについて薬剤師に伺いました。
高血圧の原因
- 高血圧になる原因はなんですか?
- 高血圧とは、血液が血管の壁を押す力が慢性的に強い状態を指します。血圧は、心臓から送り出される血液量や血管の硬さ、体内の水分量などによって変化します。
高血圧の多くは、原因を一つに特定できない「本態性高血圧」です。次のような要因が重なって発症すると考えられています。高血圧の主な要因
-
-
肥満
-
運動不足
-
飲酒
-
喫煙
-
睡眠不足やストレス
-
加齢
-
高血圧になりやすい遺伝的な体質
特に塩分をとりすぎると、体内にナトリウムと水分がたまりやすくなり、血液量が増えて血圧が上がりやすくなります。また、年齢とともに血管が硬くなることも、血圧上昇の一因です。
一方、腎臓の病気、ホルモンの異常、血管の病気、睡眠時無呼吸症候群など、特定の病気や薬が原因となる「二次性高血圧」もあります。若い年齢で急に血圧が高くなった場合や、治療を続けても血圧が下がりにくい場合は、医療機関で原因を調べてもらいましょう。 -
高血圧の症状
- 高血圧の症状を教えてください。また、初期症状で気づくことはできますか?
- 高血圧は、初期にはほとんど自覚症状がありません。そのため「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれることもあります。頭痛、肩こり、めまい、動悸、耳鳴り、疲れやすさなどを感じる人もいますが、これらは高血圧特有の症状ではありません。
そのため、症状がないからといって安心はできません。高血圧が長く続くと、血管が傷つきやすくなり、動脈硬化が進みます。その結果、脳卒中、心筋梗塞、心不全、腎臓病、眼の病気などを発症するリスクが高まります。
自覚症状だけで判断せず、家庭や医療機関で定期的に血圧を測りましょう。家庭で血圧を測定する場合、朝は起床後・排尿後・朝食前、夜は就寝前など、できるだけ毎日同じ条件で測定すると変化を把握しやすくなります。測定値は記録しておくと、受診時に役立ちます。
なお、血圧が非常に高く、激しい頭痛、胸の痛み、息苦しさ、ろれつが回らない、顔や手足の片側の麻痺・しびれ、視力の異常、意識がもうろうとするなどの症状がある場合は、緊急性があります。すぐに救急車を呼んでください。
- 血圧が高いのに貧血の症状が出るのはなぜですか?
- 高血圧と貧血は、基本的には異なる状態です。血圧が高いだけで貧血になるとは限りません。
「立ちくらみ」「めまい」「息切れ」「動悸」「疲れやすい」といった症状は、貧血だけでなく、高血圧の治療薬による影響、脱水、血圧の下がりすぎ、不整脈、心臓や甲状腺の病気などでも起こります。また、高血圧によって腎臓の機能が低下すると、赤血球をつくるホルモンが不足し、貧血を伴うことがあります。
症状が続く場合は、自己判断で薬を中止せず、医療機関を受診してください。血液検査で貧血の有無や程度を確認し、必要に応じて腎臓の機能なども調べてもらいましょう。黒い便、血便、強い息切れ、胸の痛み、失神などがある場合は、早めの受診が必要です。
高血圧の改善方法
- 高血圧の予防・改善のために食事で気を付けた方が良いことを教えてください。
- 食事では、まず塩分のとりすぎを控えましょう。高血圧の予防・改善のためには、1日の食塩摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。日本人は、みそ汁、漬物、しょうゆ、加工食品などから塩分をとりやすいため、普段の食事を見直してみましょう。
具体的には、次のような工夫をしてみましょう。食事での改善点
-
しょうゆやソースは「かける」より「つける」
-
めん類の汁は、全部飲まずにできるだけ残す
-
漬物、ハム・ベーコン、インスタント食品、スナック菓子を控える
-
栄養成分表示で食塩相当量を確認する
-
だし、酢、レモン、香辛料、薬味などを使い、薄味でもおいしくする
-
味つけは一品に集中させ、全体を薄味にする
-
野菜、果物、豆類、海藻、魚などをバランスよく食べる
-
食べ過ぎを避け、適正体重を目指す
野菜や果物などに含まれるカリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあります。ただし、腎臓病がある方や、カリウムに関係する薬を使用している方は、摂取量について主治医や薬剤師に相談してください。
また、飲酒も血圧を上げる一因になります。飲む場合は量を控え、休肝日を設けるなど、飲み過ぎない工夫をしましょう。 -
- 高血圧の予防・改善のために、他に対策するべきことがあれば教えてください。
- 高血圧の予防・改善には、食事以外にも、生活習慣を整えることが大切です。
生活習慣の整え方
-
運動ウォーキングや自転車などの有酸素運動を、無理のない範囲で続けましょう。目安は1日30分・週5日ですが、まずは「今より10分多く歩く」ことから始めても十分効果が期待できます。胸の痛みや強い息苦しさを感じたらすぐに中止し、持病がある方や高血圧が重い方は事前に医師へ相談してください。
-
体重管理肥満傾向の場合は、食事と運動を組み合わせ、少しずつ体重を減らしましょう。急激な食事制限は長続きしにくいため、間食や夜遅い食事を減らすなど、続けやすい方法を選ぶことが大切です。
-
睡眠毎日できるだけ決まった時間に寝起きし、十分な睡眠をとりましょう。大きないびき、睡眠中の呼吸停止、朝の頭痛、日中の強い眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。気になるときは医療機関に相談してください。
-
喫煙・ストレス対策喫煙は血管を収縮させ、血圧を上げる原因になります。喫煙している方は禁煙を目指し、受動喫煙も避けましょう。ストレスをため込まないよう、趣味や入浴、深呼吸など、自分に合った気分転換の方法を見つけることも大切です。
-
血圧の測定と服薬家庭で血圧を測って記録することで、生活習慣や治療の効果を確認しやすくなります。薬を処方されている場合は、血圧が下がったからといって自己判断で薬を減らしたり・飲むのをやめたりせず、指示どおりに服用してください。
生活習慣を改善しても血圧が高い場合は、薬による治療が必要になることがあります。高血圧は自覚症状がなくても進行するため、定期的に血圧を確認し、医療機関と相談しながら管理していきましょう。 -